茶室だより
桜下茶会 2025年4月6日(日) 茶道会館[東京都新宿区]
去る4月6日(日)に茶道会館にて『桜下茶会』が催され、小堀遠州流松籟会神奈川支部の 金子社中が明々軒での立礼席を担当いたしました。
今回は、江戸後期の道具を組み、『桜の下で春の一日を長閑に過ごして頂ければ・・・』をテーマに、蒔絵の茶箱などを使い、私どもの師匠・金子宗弘が席主を務め、門弟一同で、後見、お点前、お運び、水屋、下足番に至るまで、それぞれの持ち場を全うし、力を合わせてお席を進めさせて頂きました。
嬉しい事に、当日は300名近いお客様にお越しいただき、朝9時の開席から午後4時まで、全10席を休む間もない運営となりました。
想定を上回る御来客数に戸惑う場面もございましたが、お客様のお喜びの声に励まされ、なんとか一席一席を大切に努めて、私たちなりのおもてなしができたのではと感じております。
また、他流派からのお客様も多くご来席くださり、小堀遠州流のしつらいや点前の趣向に触れていただく事で、お喜びの声も頂戴出来ました。
流派の枠を超えて茶の湯を共に楽しみ、交流を深めるひとときは、私たちにとっても学びの多い、貴重な体験となりました。
息をつく暇もないほどの忙しさの中、ただひたすらにお客様の笑顔を思いながら、それぞれが持てる力の限りを尽くした一日。
終えてみれば、その充実感と感謝の気持ちで胸が満たされております。
実は我が師は“稀代の雨女!!”として知られており、開催前は天候を案じる声もございましたが、幸いにも一日を通して何とかお天気が持ちこたえてくれました。
そして更に、お庭の枝垂れ桜が大変美しい見頃となり、正に『桜下茶会』の名にふさわしい春の一日となりました。
これもひとえに、お茶を愉しむお客様方の晴れやかな気が天に届いた賜物かと存じます。
ご来席くださった皆様に、心より感謝申し上げます。
神奈川支部 中山 宗亜