茶室だより
令和五年遠州忌法要茶会 青年部席 2023年5月28日 東京都文京区[護国寺茶寮]
席中の様子
2023年5月28日(日)の遠州忌において、護国寺艸雷庵で青年部席が設けられました。
遠州忌で唯一の立礼席として、お客様にはリラックスして楽しんでいただいたように思います。
席全体に広がる足柄山と金太郎の物語を感じさせるお道具組や、草真流のお花をされている氷室覺詣氏が直門として担当されたお花などが、特に話題になっていたようです。
氷室氏はお花のテーマを次のように語っていました。
お花
「足柄山の遠眺を“ 穂咲七竈 ”にて見立て、“ 竹島百合 ” “蛍袋”と野山の大景を想起し、“ 更紗空木 “ ” 山紫陽花 “から水際へと続く連綿とした拡がりに、金太郎を育んだ自然の壮大さをあらわしました。
また、その野山を金太郎が夢中で駆け回っている様に思いを馳せ、一般的な決まりとは勝手が逆、かつ真越えに、器向きも横と、腕白な構成としました。
花入である魚籠に、その景色を大漁といったように生けることで、足柄山で伸び伸びと成長していったことが、坂田金時という立派な武将に繋がったという、まさしく大収穫の話を含意しています。」
遠州忌恒例の干菓子
立礼席はコロナ禍を乗り越え久々の開催となりましたが、このようなお花のテーマやお道具組によって、特別な魅力を持った席となりました。
長い間待ち望まれた開催であり、お客様の心に深い印象を残すお席となり、青年部としても多くをお勉強させていただきました。
直門 宮崎宗然