

茶室だより
神奈川支部研修会 2025年10月26日(日) 川崎市民プラザ[神奈川県川崎市]
当日はあいにくの雨天にもかかわらず、25名の会員にご参加いただき、茶道への真剣な学びの時間を過ごすとともに、和やかな交流のひと時を持ちました。
支部長、石井宗葉様のご挨拶の後、午前の部として「十五代宗通家元による点前」のビデオを鑑賞しました。ゆったりと流れるようなお点前に、小堀遠州流の神髄を垣間見たように思います。
年配組には懐かしく、若い方には新鮮な映像鑑賞
濃茶のお点前では、茶入は90度回すこと、湯を汲むときは湯気を出してからなど、細かい点も丁寧に解説してくださっています。後見(こうけん)を務められた若き日の十六代家元のお姿も拝見できました。
午後は、国宝「如庵」を模した建物で、自然豊かな日本庭園内にある茶室「小高庵(こだかあん)」に移り、濃茶席一席、薄茶席二席が設けられました。
お軸には、お軸の「山色夕陽時」 (妙心寺派 塔頭老師 山田無丈師 筆)、お花の照葉、段菊、秋明菊に、深まる秋の風情が漂います。
茶会研修会場『小高庵』
掛け軸とお花での秋の風情を満喫
お点前は、佐原社中と金子社中の3名の方に努めていただきました。
濃茶の点前をなさった坂井宗理さんは、「お茶会での久しぶりのお点前に緊張しましたが、無事に終えられてほっとしています」と感想を述べられました。
薄茶一席目の伊藤宗朋さんは、「最初は緊張しましたが、皆様の助けもあって平常心に戻りました」と話されました。
薄茶二席目の横田八奈さんは、「お茶会でのお点前は初めてでしたが、後見の佐藤さんに助けていただき、無事に終えられて嬉しかった」と述べられました。
お稽古の場とは違う雰囲気の中での一つひとつの点前は、心地よい緊張を伴うもののようです。
緊張が伝わる濃茶のお点前
また、お茶会を影で支えるのが水屋(みずや)です。お湯を沸かし、お菓子を準備し、茶碗を清めるなど、水屋での準備があってこそ、「お・も・て・な・し」が完成します。お茶席と水屋は、まさに表裏一体です。
インバウンド(訪日外国人)が増え、総合芸術といわれる茶道に再び脚光が当たっているのは、大変喜ばしいことです。
集合写真
神奈川支部 三浦尚子


